半導体

【半導体の基礎】Cu配線、low-κ膜、配線間容量

半導体の勉強をしていてよく出てくる「Cu配線」や「low-κ膜」。

このあたりの定義をきちんと理解しなければ…と思い整理し始めたのですが、何しろ基礎知識ゼロからスタートしているので、調べれば調べるほど次から次へと疑問が湧いてきます。

その疑問点を1つずつ自分なりに整理していきました。今日はその内容を皆さんに共有したいと思います。

以前投稿した「high-κ材料」についての下記記事と重複する部分もありますが、ご了承下さい。

【半導体の基礎】highーκ(ハイカッパ)材料って?前回の投稿から時間が経ってしまいましたが、毎日勉強することはなんとか続けています。 今日はタイトルの通り「high-κ(ハイカッパ...

Cu(銅)配線の特徴

  • 従来配線材料に使われてきたAlよりも比抵抗が低い。(比抵抗が低いと電気がスムーズに流れ、配線遅延が起こりにくい。)
  • ドライエッチングでの加工が難しいため、ダマシン法で加工する。
  • 配線を「バリア層」、「ライナー層」という別の材料で囲む必要があるが、これらの材料は比抵抗がCuよりも高い。

low-κ材料とは?

  • 「κ(カッパ)」は比誘電率を表すギリシャ文字で、比誘電率の低い材料を「low-κ材料」、「low-κ材料」で作られた膜を「low-κ膜」と言う。
  • 「low-κ膜」は層間絶縁膜に使われる。

なぜ層間絶縁膜にlow-κ膜を使うのか?

半導体の微細化により、配線同士の距離が近くなり配線間容量が増えてしまった。配線間容量を下げるために比誘電率の低いlow-κ膜を使用する。

配線間容量って?

ここで「配線間容量」とは、「配線が近接している部分に生じる静電容量」のことで、分かりやすく言えば「配線と配線の間に、コンデンサのように電荷を蓄えてしまう」のですね。

コンデンサは2枚の電極板によってできていますから、「近接する2本の配線=コンデンサの2枚の電極板」と思えばイメージしやすいかと思います。

そして、コンデンサの静電容量は以下の式で表されます。

C(静電容量)=ε(誘電率)・S(電極板の面積)/d(絶縁体の膜厚、電極板の距離)…式(1)

d(電極板の距離=すなわち配線間容量における配線同士の距離)はC(静電容量)と反比例するので、式(1)からも配線同士の距離が近くなれば配線間容量が増加するのが分かりますね。

また、比誘電率と誘電率の関係は、以下の式で表されます。

εr(比誘電率)=ε(誘電率)/ε0(真空の誘電率)…式(2)

式(1)と(2)から、比誘電率が低い「low-κ膜」を層間絶縁膜として使えば配線間容量を下げられることが分かります。

配線間容量が増えたもう1つの理由

Cu配線には、下記の特徴があるのを始めに記載しました。

配線を「バリア層」、「ライナー層」という別の材料で囲む必要があるが、これらの材料は比抵抗がCuよりも高い。

「バリア層」、「ライナー層」の定義についてはここでは割愛しますが、微細化が進んでも、これらの材料は目的を達成するために、一定の薄さまでにしか薄くすることができません。

そうなると、配線におけるCuの割合が減り、バリア層やライナー層の割合が増え、比抵抗が増えてしまいます。抵抗を下げるためには配線の寸法(高さ、幅)を大きくする必要が出てきますが、そうすると今度は配線間容量が増えてしまうのですね。

なぜ配線間容量が増えるのでしょうか。先ほどの式(1)をもう一度見てみると、

C(静電容量)=ε(誘電率)・S(電極板の面積)/d(絶縁体の膜厚、電極板の距離)…式(1)

「C(静電容量)」と「S(電極板の面積)」は比例関係にあります。

配線間容量における「S(電極板の面積)」は「配線の寸法(高さ、幅)」にあたりますので、配線の寸法が大きくなれば配線間容量が増えるのですね。

配線間容量が増える原因まとめ
  • 電極板の距離=すなわち配線間容量における配線同士の距離が近い。
  • 電極板の面積=すなわち配線間容量における配線の寸法(高さ、幅)が大きい。

参考書籍、サイト

  • はじめての半導体製造装置
  • https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2011/06/news031.html
  • https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2011/17/news018.html
  • https://xtech.nikkei.com/dm/article/WORD/20060127/112758/
  • https://terakoyamiho.wordpress.com/lowk%E3%81%A8hik%E3%81%AE%E3%81%8A%E8%A9%B1%E3%81%97/
  • https://www.screen.co.jp/spe/technical/guide/cu
  • http://tnk54.com/dual-damascene/

終わりに

理解したつもりでも、この記事を作成中に更にいくつもの疑問が湧き、確認と修正の繰り返しでした。

駆け足ですが、今日は一旦ここまでにしたいと思います。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です